I-相対性 京都大学花山天文台、2022年5月
2022年5月、N’SO KYOTOは「相対性」を京都大学の桂山天文台で初演しました。この屋外パフォーマンスは、音楽、サウンドインスタレーション、そして空間化されたサウンドデザインを通じて一般相対性理論を探求し、観客が自由に会場を移動しながら没入型の体験を提供しました。
このパフォーマンスは、ヤニック・パジェ(作曲家)と物理学者橋本 幸士との共同で構想され、N’SO KYOTOのソリストである中村 真実(クラリネット)、石上 真由子(ヴァイオリン)、川原 みきお(ユーフォニウム)、そしてウィリアム・プランクル(チェロ)が演奏を担当しました。各演奏者は同じスコアを同時に演奏し、お互いをネットワークで接続されたスピーカーとケーブルを通じて聞き、パジェがメインコンピューターを操作して音程やメトロノーム、サウンドの処理を行いながら演奏しました。
音は、5つの異なる音響で空間化され、それぞれが異な時空間の解釈を表現しました。これらの音風景は、藤本 隆行 a.k.a. Kinseiの手による照明によって、演奏者と周囲の環境を強調し、さらに深みを与えました。
観客は天文台を探索する中で、各自の位置に応じた異なるバージョンの音楽を体験しました。この会場内を移動することで、相対性のユニークで個人的な認識が生まれ、演奏者間の移行によって音響の変化を感じることができました。
パフォーマンスには、2キロメートルにわたるケーブルネットワークと、10台のメトロノームが設置され、各メトロノームは異なるリズムに設定され、演奏者と接続されました。インスタレーションの中心には、ブラックホールを象徴するスピーカーが設置され、ライブの生音がそのまま集積され、変換される過程を放送しました。
歴史的な花山天文台で開催された「相対性」は、音楽と科学が見事に融合した、次元を超えた体験を提供しました。観客は岡崎公園からの専用シャトルサービスで会場にアクセスし、春のイベントは満席で開催されました。
作曲、パーカッション、電子音楽: ヤニック・パジェ
科学アドバイザー: 橋本 幸士
N’SO KYOTO ソリスト: 中村 真美 (クラリネット)、 石上真由子(ヴァイオリン)、川原 みきお (ユーフォニアム)、ウィリアム・プランクル (チェロ)照明デザイン:藤本隆行(Kinsei R&D)
