会場: 両足院(京都)
日時: 2022年10月14日〜16日
「場の特異性」 は、ソロ・チェロによる演奏と空間音響を組み合わせた作品です。
この作品は交響曲 「Consciousness: 弦理論交響曲」 の第4楽章にあたります。
天体物理学や重力理論において、「シンギュラリティ」とは、通常の物理法則が崩壊する特定の時空のポイントを指します。しかし、人類自体が宇宙におけるシンギュラリティとは考えられないでしょうか? 自由意志、愛、芸術的創造に関しても、物理法則は常に適用されるのでしょうか?
この演奏は、観客を没入型の音楽的内省へと誘いました。特別に照明が施された両足院が巨大な共鳴体となり、チェロの音の波がその木造構造を通じて流れていきます。
来場者は、庭、寺院、茶室を静かに移動しながら、響きに耳を澄ませるよう促されました。庭の小道では、これまでの3つの楽章のエコーが現れます。その中には、黒川徹による陶芸彫刻 「Inside to Intersect」 や、アレクサンドル・フェルディナンド・モベールの映像作品 「二重共鳴」(出演:前田英一、合田有起、野村香子)が含まれています。また、来場者は、橋本幸士(「宇宙の数式を描いた掛け軸」)や藤田 忠(「弦理論と円相を描いた掛け軸」)による作品にも出会うことができます。
作曲: ヤニック・パジェ
チェロ: ウィリアム・プルンクル
科学アドバイザー: 橋本幸士
特別コラボレーション: 禅僧 伊藤東凌
