「Consciousness: 弦理論交響曲」は、没入型のオーディオ・ビジュアル体験であり、アコースティックミュージシャン、空間音響、映像、そして領域を超えたコラボレーションを融合させたものです。2022年に京都で初演されたこのユニークな作品は、パフォーマンスとインスタレーションを組み合わせ、唯一無二の感覚的な旅を形作ります。
5つの楽章は、物理学の5つの主要な要素を探求します。
相対性理論|量子物理学|二重共鳴モデル|技術的特異点|基本相互作用
それぞれのテーマは、私たちの物質界に対する理解において重要な柱を表しています。これらを合わせることで、マクロの世界とミクロの世界を結びつけ、あらゆる存在を統一する理論へと私たちを押し進めるのです。
Consciousness は、フランスの作曲家 ヤニック・パジェ と 日本の物理学者 橋本 幸士との密なコラボレーションの産物。二人の出会いは、何年にもわたる研究と、素粒子物理学、特に弦理論の方程式に根ざした音楽言語を生み出しました。

作曲と即興、アコースティック音と電子音を融合させることによって、Consciousness は従来の音楽の枠組みから脱却します。映像作家、ダンサー、陶芸家などとの幅広い芸術的コラボレーションを取り入れ、「実存」そのものの多面的な複雑さを表現しています。



芸術と科学を対話させることで、この作品は宇宙の根底にある目に見えない構造を、最先端技術の手を借りて聴覚的・視覚的な形へと変換します。

Consciousness は、観客の私たちのこの世界に対する認識を深め、人類が宇宙にどのような位置を占めるのか、私たち全員を結びつける精妙なつながりとは何なのかを探求します。
科学研究
物理学、弦理論、そして宇宙、
宇宙にあるすべてのもの、つまり無限に大きなもの(惑星、星、銀河)から無限に小さなもの(原子、電子、クォーク)、生物から無生物、さらには宇宙を支配する相互作用や力など、そのあらゆる存在は素粒子で構成されています。弦理論によれば、これらの素粒子自体は、たった一つの物質、つまり振動する「弦」によって成り立っています。
弦理論には、アインシュタインが夢見た「万物の理論」を実現する可能性があります。この理論は、相対性理論と量子物理学という一見相容れない理論を統合するものであり、世界中の何千人もの科学者によって、一世紀にわたる研究の中心となってきました。すべての存在の根底に単一の実体があるという概念は、宇宙、その多様性、そして私たちの存在の意味を新たな視点で理解する道を提供します。



弦理論の音楽言語への変換についてヤニック・パジェと橋本幸士は、弦がどのようにしてさまざまな素粒子を形成するのかを決定するチャン・パトン因子を分析しました。この研究をもとに、彼らは各素粒子および反粒子に対応する一連の和音(コード)を定義づけ、それにより、太陽内部で起こる現象や、原子が生成される過程など、宇宙における基本的な相互作用を音楽的に再現することが可能となりました。これらの新しい音階や音の組み合わせが、この交響曲の各楽章において用いられる独自の音楽言語を形成しています。
2025年ツアー:量子物理学誕生100周年記念
2025年は、量子物理学の画期的な発見から100周年を記念し、国際量子科学技術年(IYQ)と定められました。この貴重な機会に、ヤニック・パジェとN’SO KYOTOは、「Consciousness: 弦理論交響曲」に、最新技術と新たなパートを加え、ツアーに出発します。さらに、2026年には、フランスツアーも予定されています。